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2009.08.03 Monday ... - / -
#【Jazz Maynard:Home Sweet Home】Raule,Roger,Dargaud 2007
 【Jazz Maynard:Home Sweet Home(ジャズ・メイナード:ホーム・スウィート・ホーム)】
Raule(ラウル),Roger(ロジャー),Dargaud 2007(ダルゴー社 2007年刊)
jazzmaynard
ジャケ買い。にふさわしい、ひさしぶりにかっこいい絵柄のBDに出会いました。
実は、これフランスのバンド・デシネではなくスペインのバンド・デシネなのですが。
セピアトーンで統一された色彩といい、強弱をつけたスピード感のある線といい、
ハードボイルドアクションを表現するのに適した絵柄です。
主人公のジャズの面構えを見た瞬間に、「あ、これスパイクじゃない?」と思うほど、
雰囲気も似ています。
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ストーリーは:
N.Yから妹のローラとともに、生まれ故郷のバルセロナはエル・ラヴァル地区へ戻ってきた。
かつてここで、いずれは刑務所か墓場へ一直線という荒れた生活を送っていたジャズは、
そんな生活におさらばして二度と戻らない覚悟でN.Yへと旅立ったのだった。
そして10年後、妹からの一通の手紙をきっかけに、ふたたび故郷の地を踏む事になった。

道すがら妹と分かれてバーで幼なじみのテオと再会する。
が、そこで突然二人して状況が飲み込めないまま拉致されてしまう。
捕まっている間に、テオにこれまでのいきさつを語るジャズ。
N.Yで売れっ子のトランぺッターとして働いていたジャズのもとへ、
かつて故郷へ置いてきた妹のローラから「騙されて娼館で働かされている」と
助けを求める手紙を受け取り、救出の大立ち回りをしたジャズ。
その足で二人して故郷のバルセロナへと戻ってきたところを拉致されたのだ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
このあと、古巣にもどってきて一気に10年前に引き戻されたジャズは、
幼なじみを助ける為にふたたび政治と暴力の世界へと巻き込まれるようにひきもどされてゆく。

向こうの漫画としては、かなりスピード感のある方だと思う。
個人的には、もっと集中線を巧く利用すれば、さらにスピード感のある
アクションシーンが演出できると思うのだけれど、
どうも向こうのコミックスの学校の教え方としては、デッサンありきのようで、
なまじデッサン力がありすぎるため、絵コンテの域を出ていない感があるのが
もったいない所ではあります。
こちらでサインをしているところがみられます。
Raule et Roger "Jazz Maynard" font un crobart - wideo
↑ものすごいのっぺり顔に見えるのは気のせい?

なぜかこちらではタランティーノの映画みたいなPV(スライドだけど)が観られます。




2009.08.03 Monday ... comments(9) / -
#『Spirou et Fantasio a Tokyo(スピルーとファンタジオ、東京へ行く)』n°49  作画:Munuera、シナリオ:Morvan
『Spirou et Fantasio a Tokyo(スピルーとファンタジオ 東京へ行く)n°49 2006年Dupuis刊
作画:Munuera(ムニュエラ)
シナリオ:Morvan(モルヴァン)

今回紹介するのは、全学期にアテネのBDの授業でテキストとして使った『スピルーとファンタジオ』です。

もともとは1938年にRob-Vel(ロブ−ヴェル)という人に創作されて以来、作画とシナリオを変えてシリーズとして作り続けられて来た作品です。
内容も新しい作者達の自由でシリーズといっても縛りはほとんどないのですが、これ以前の刊では表紙の一番上に赤い帯で「●●(著者名)によるスピルーとファンタジオ」という具合に著者ごとのイマジネーションによるカラーを強調していたようです。
大まかなパターンは決まっているが、後は自由に創作していいようです。サイズは大判(320×240)と決まっているようです。
ページ数ももともとは68ページ(4折ですか)後に48ページや54ページと色々あるようですが、基本は折の倍数だったようですね。

Dupuisから出ているシリーズはFranquin(フランカン)、Roba(ロバ)、 Will(ウィル)、Greg(グレッグ) 、Fornier(フォルニエ)、Nic et Cauvin(ニックとコヴァン)、Tom et Janny(トムとジャーニー)、Morvin et Munuera(モルヴァンとムニュエラ)、と作者が変わるとともに、絵柄も変わっています。
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スピルーとファンタジオ、そして相棒のリスのスピップは江戸時代にいた。。。訳ではなく、誘拐されたルーンとコウという二人の子供の行方を探すために、イトー・カタというマジシャンに乞われて日本へ隠密で調査に来ていた。
そしてここは隅田川の脇に建てられた『江戸リゾート』という東京ドーム並みの巨大テーマパークの中。ここで誘拐の手がかりとなる因縁の人物の完成披露記者会見が行われるという事で、記者として潜入していたのだ。

しかし会見の前から既に中でドタバタと騒動を起こすファンタジオにスピルーとスピップは半ば呆れ気味。(大人しく観光出来ないんかい?!)
記者会見で誘拐された子供の一人を見つけたスピルー達がイトー・カタと連絡をとりながら奪還しようと様子を伺っていると、一人の女の子が現れ超能力を使って男の子を一人奪還しようと戦いを挑み始める。相手方もヤクザを繰り出し対抗する。スピルー達は二人を助けようとするが女の子の圧倒的なパワーに巻き込まれ、ついでに忍者軍団まで現れ、敵か見方か分からない混沌とした戦いの中、女の子は力つきて気絶してしまう。
とりあえず女の子を連れて山手線を乗り継ぎイトー・カタとの待ち合わせの銀座、歌舞伎座へと急ぐスピルー達であったが、その途中で目覚めた女の子にファンタジオは財布やホテルの鍵を盗られて逃げられてしまう。
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とここまでが前半の導入部分。
さすがに作者二人して日本へ取材に来ただけあり、海外のコミックが日本を描くと妙に変なのですが、地に足がついた描写ができていて今の日本の風景をちゃんと描いてくれている所は読んでいて好感が持てます。(所々可笑しいのは愛嬌っていうか。。。ちゃんと通訳してあげれば良かったのにという感じで、むしろ「惜しい!その間違い!」って感じです。)
最近はネットでも街並が覗けるし、日本のマンガ家を目指す人の資料として、街並などの資料写真集が出ていて、海外のMANGA好きな作家さん達はそういう物を参考に描いているので、妙にリアルはリアルなんですが、MANGAに近づけようとするあまりに違和感がある事がおおいのですが、彼らの場合、スタイルはあくまでもBD(バンドデシネ)というのを貫いているため、妙に外人が押したデフォルメされた日本人や、変な名前もエキゾティックで面白い。(オタクなヤクザの名前が「マンカガナ」ってすでにアナグラム?マンガかな?)
と、思って読んでいるのは日本人だけかもしれませんが。

色々と突っ込みどころはあるんです。
後半で渋谷のハチ公に超能力で生命を与え、ファンタジオが仲良くなって西郷どんのお供よろしく連れて歩き、一緒に戦うのですが、最後にフランスへ帰る時に成田空港のロビーで「またきっともどってくるからね!待っててね!」なんて事いって、かわいそうに置き去りにしてしまうんです。
もといた渋谷ならまだしも、なんで成田のロビーにちょこんおすわりしてなきゃならないのかと。本当にちゃんと忠犬ハチ公の話、説明してあげたのかな〜?
そしてリスのスピップはなんであんなに毒舌家なのかと。
あと代々木公園の外で自然の樹木や水を超能力で操ってトランスフォーマーみたいに戦うって言うアイデアはいいけど、そこ、明治神宮だから。
あれ破壊したら、ただ事じゃすまないから。

この日本編がどうもあまり評判がよくなかったらしくて、このコンビでのシリーズはここで終り。
そしてシリーズは新たな幕開けを。。。
作画:Schwartz(シュワルツ)
シナリオ:Yann(ヤン)
こちらは舞台は1942年という占領下。ちょとシリアスみたいですね。

おまけで、アニメーションもみつけたので。
2009.07.30 Thursday ... comments(0) / -
#CLICHES d'amour LOUSTAL/PARINGAUX Les Humanoïdes Associés
『CLICHES d'mour(クリシェ・ダムール)』1982年 LOUSTAL/PARINGAUX  Les Humanoïdes AssociésCLICHES_LOUSTAL

以前も一度紹介した事のあるLOUSTAL(ルスタル)というとてもオシャレなBD作家の
作品です。

あえて訳せば、「愛の情景」とか「ありふれた愛」という感じでしょうか。
今回もPARINGOUX(パランゴ)と組んでのハイソな大人のヴァカンスの
恋愛、あるいは出口のない愛、といった様々な情景を描いた短編集です。

 L 'Amour est une plante verte (6 pl. coul.)』(愛は観葉植物のようなもの)
La femme blanche (8 pl.)』(白人女)
La nuit de l'alligator (18 pl. coul.)』(ワニの夜)
の三本の短編からなっています。

借りていた本だったので、ざっと目を通したという感じですが、
中でも『 L 'Amour est une plante verte (6 pl. coul.)』は
70年代の避暑地の出来事という感じのストーリーでしっとりとしたいい話でした。
とある避暑地のホテルでの主人公(男性)の
出会いと永遠の別れを描いているのですが、
若い男女の恋愛ではなく、プリンセスと呼ばれている年老いた女性と
彼女に(恐らく)買われた男との一夜の出来事を男が
彼女が到着する前から旅立つまでを回想している話です。

同情でもなく哀れみでもなく、ただ愛おしかった。
大人ですね。

La femme blanche (8 pl.)
これは黒人ボクサーと白人女性の話で、当時まだ黒人と白人がつきあう事が、
暗黙のタブーとされ、宗教的な団体から迫害を受けていた頃の話で、
やさぐれた男と女の恋愛は、行きずりであろうとも許されない行為だったんですね。
(今でもまだそういう感情は残っているとは思いますが)
ラストのページは、二人の悲惨な行く末を暗示しているようでした。
ちょっと違っていて、掲載時はもう少しラテン系というかあまり白人っぽくありません。
BDとして発行する時に書き換えたのかもしれませんね。
色々と問題があったのでしょう。

La nuit de l'alligator (18 pl. coul.)
これはじっくりと読む時間がなかったので残念なのですが。
ストーリー自体はいくつかのエピソードが同時進行していて、
主人公の女性の過去のエピソードと、
彼女にまつわる男(お金持ち)が殺し屋に殺される話。
(これが殺し屋視点で、結構カッコいいです)
もうひとつくらいあったような気もするけど、
それらが現在の彼女(バスルームで自殺しようと剃刀を手首に当てている)と
同時進行しています。

この作品だけは他の2作と比べて、着彩の仕方が違っていて絵の雰囲気も違います。
色々とネットで調べたら、どうもこのBD自体がルスタルの作品の中では、
それまでの水彩やカラーインクなどで着彩していたスタイルから、
パステルやガッシュのような他の画材で描く方法を色々と模索していた時期の、
ターニングポイントとなるような一冊と評されていいるんですね。

コマ割りの仕方も独特で、左ページの同じ位置のコマに、
現在の主人公の女性がバスルームで自殺する様子が描かれ、
これが現在の時間軸。
そして見開きの他のコマでは、彼女にまつわるいくつかのエピソードが同時に
進行するという作りになっていました。(たしか。。。)
映画で言うフラッシュバックを取り得れた独特のコマ割りで、
BDでもこういう形で進めるというのは、とても珍しいと思います。

このBDはアテネのクラスメートが阿佐ヶ谷の古本市で見つけたと、
貸してくれたのですが、本の最後のページに覚え書きがありました。
この本、気に入ってたんですね。
どういう経緯で売られて来たのか分からないけれど、
素敵だったのでちょっとその写真も載せておきます。
なおこのBD(バンドデシネ)は表紙をかえて何度か再販されているようです。

追記:
上記のLoustalのサイトを見ていたら、2008年に『New Yoker』の表紙を三回担当しているんですね。
それが結構かっこ良くて素敵です。
イラストの感じはだいぶ違うけれど。
NYの表紙ってストーリー仕立てのようになっていて、これも3回描く事が決まっていたからか、メインのカップルはいつも画面の同じ位置に同じポーズで配置されています。
旅がテーマなのによく見るとなんか服装と 場所がズレているあたりが面白いです。
        
2009.07.16 Thursday ... comments(0) / -
#twitterはじめました
JUGEMテーマ:今日のキーワード
twitterをはじめてみました。
これって実は私が作ったフランス語の造語(mot de valise:鞄語)で、
motus+snobsでmotusnobsです。
意味は、、、辞書ひいて適当に考えていただくと楽しいかなと。

時々ぼそってま〜す。 
2009.07.15 Wednesday ... comments(0) / -
#=VALENTINA=柄のサイドボード

クレパックスの家具
先日、銀座のBALSというインテリアショップをのぞいたら、
=VALENTINA=柄のサイドボードを見つけました。
扉の部分にプリントしたかなり大胆でキッチュなデザインは、
ウォーホールの一連のアメコミシリーズを彷彿とさせますね。
『ヴァレンティーナ』はエロティックでサイケデリックなBDとして
ヨーロッパをはじめ各国でファンがおおいのですが、
の作品です。

バンドデシネは知らなくても、この独特のボブにアンジーのような唇の
イラストは見た事があるという人が多いのではないでしょうか? 
残念だがら2007年になくなってしまいましたが、去年たしか
『O嬢の物語』は復刻版が出版されたとおもいます。
こういうのをみると、もともとBDは大人の物(というか男の世界)であったというのが
納得出来ます。
もっとも今のエロとちがって、澁澤の世界って感じですけど。

YouTubeを探していたら、イタリアで行われたクレパックスの回顧展?で
流された画像がいくつかUPされていたので載せておきます。

はファンの方が画像に音楽をつけたのかな?


 
こちらは会場の模様みたいです。
2009.06.07 Sunday ... comments(0) / -
#『国際日本学部シンポジウム「メビウス×浦沢直樹+夏目房之介」(司会:藤本由香里准教授)』
JUGEMテーマ:Bande Dessinee

明治大学でのメビウスのシンポジウムに行ってきました。
11時過ぎに整理券を受け取りに行ったのですが、その時点で350番台。
最終的には二階まで満席の様で、入り口のところで『ユーロマンガ』Vol.1を配布していました。(フレッドさん、がんばってるな〜)

シンポは二部構成となっていて、一部はメビウスの紹介も兼ねて、藤本さんからメビウスへのインタビュー。
二部では、浦沢さん、夏目さんを交えての、メビウスのBDの漫画家への影響、特に描線としての影響に視点を搾った対談。
そして最後はおまけのハプニング!
仏語で聞き取るようにしていたので、通訳されていた内容と多少違うと思いますが、自分の記録として内容をまとめておきます。
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Q1 『ブルーベリー』が代表作ですが、なぜウェスタンを選んだのですか?
A1 第二次大戦後、ウェスタンはアメリカ文化の象徴であった。
つまりアメリカ人とはヨーロッパからの移民であり、それは元からいた住民との文化の交流でもあり、またメビウスの世代にとってはテクノロジーの台頭によりインディアンの文化が消失の危機にさらされた事の象徴でもあった。
『インサイド・メビウス』という作品の中で、ジェロニモとビンラディンの邂逅があるが、立場ややり方の違いはあるがどちらも外からきた文化にたいする旧世代の抵抗のような行為において共通点があると思う。
自身が50年代の半ば、17歳の頃に離婚した母親とともにメキシコで過ごしたことも、砂漠のような乾いた風景をよく描くようになるという形で影響があったと思う。

Q2 あなたにとってのアメリカとは?
A2 10代の頃過ごした50年代のメキシコには、まだ19世紀の文化が残っていた。
ジャン・ジローからメビウスになってからも、当時の体験が重要だった。
アメリカ文化はとても魅力的であり、甘美であり、同時に危険でもあり、それは日本でも同様に感じていると思うし、フランスもその危険性を感じている。
だからアメリカ時代(1988年)に、スタン・リーの原作で『シルバーサーファー:パラブル』 Silver Surfer: Parable (1988年〜1989年、メビウス名義)の作画を担当した時にも、アメリカ文化に足を踏み入れ深入りしすぎないように注意していた。
※Copine-m注釈:ここでの表現が面白くて、<poser le pied dans le territoire>という表現で、領地に片足を突っ込むというような言い方でした。なんか本当に敵陣に踏み入るみたいな異文化に対する用心深さを感じます。

Q3 メタルユルラン誌に「ラルザック」を掲載した頃の時代背景と、何を目指していたのか?
A3 7〜8歳の頃はまだ子供向けのBDしかなく、そういう雑誌を読んでいた。
17〜8歳の頃になると、親が図書館から借りて来た画集などを目にし、ピカソなど大人向けのアートに目覚める。
当時はまだBD(バンド・デシネ)といえば、まだ子供向けの読み物であり、漫画家を目指し始めた10代半ば頃に、BD作家になるべきか?画家として大人向けの作家を目指すべきか悩んだ末、大人向けのBDを描く道を選び、「メタル・ユルラン」を発行した。
※Copine-m注釈:大人向けの表現という意味合いで、<lafiguration narrative>(物語風の表現)という言い方をしていました。
砂漠の乾いた描写を通して、読者が心象風景を感じたりするようなメビウス独特の表現の事でしょう。


Q4 『ブルーベリー』から『ラルザック』ヘ(つまりジャン・ジローからメビウスへのスタイル(描線)の変化とは?
A4 スタイルの違いを指摘されるが、子ども向けのBDからSFやファンタジーをメビウス名義で表現する事での画家としての描写の変化の現れである。
デッサンとは「わたしというもの」を示す窓のような者であり、(それは変化するものであるから)玉手箱のように何が現れるか分からない。
とはいえ、市場の要求とのバランスは重要で、商業作家としては売れる物も描かなければならない。「タンタン」や「アトム」のように、読者の要求を保ちつつ描き続ける事は凄い事である。
自分の考えや内面を他人に見せる事は恐ろしいことであるが、面白い。

ホットコーヒーここまでが前半です。最後の話は商業作家としても成功しているプロとしての話としてとても興味深かったです。
メビウス氏の仏語は聞き取りやすく、アグレッシブでなく子どもでも分かり易い話し方でした。真のプロとは、子どもでも理解出来るような話し方ができる人であるという私の中の確信がますます強まりました。
では後半戦に行ってみましょう!ホットコーヒー

浦沢氏、夏目氏それぞれのメビウスとの出会いについて。
浦沢氏:1982年頃の「スターログ」誌の紹介記事で初めて知る。
「あ、まさに俺が描きたかった絵はこれだ!」と衝撃を受けた物の、自分がメビウスの真似をしてなる必要も無く(二人はいらない)オリジナルの道を模索し作家デビューする。
夏目氏:「ヘヴィーメタル」誌版の「ラルザック」を古本屋で見つけて知る。
当時(7〜80年代)はカウンターカルチャーの一部として、青年劇画誌やSF雑誌に海外マンガが紹介されていた。
『SF宝石』において、「日本のメビウス」という紹介文とともに大友克洋の「FLOWER」が掲載されていた。そこから「NARUTO」の作家や鳥山明などにメビウスの影響は広がって行った。
手塚氏は「メビウス雲」と名付けた雲の描写を弟子達に指示して描かせていた。

夏目氏Q1 メビウスから観た日本のマンガとは?
A1 1981年頃アングレームに手塚治虫が招待された。初対面の時の印象は「シンプルで子どもっぽいマンガを描く人」でとても親しみやすいベレー帽をかぶり耳にペンをさし、眼鏡の奥でにこやかに笑っている人だった。
翌年だったか82か83年に手塚氏が自分を日本へ招待してくれた当時は、まだマンガはフランスでは知られてなかった。
そして手塚氏の仕事場での分業スタイルや、アニメーション(16mm版の「火の鳥」)を見せてもらい、彼を見誤っていた事を痛感し、スバラシイ作家だと確信した。
また街の書店でマンガ(モノクロのソフトカバー:つまり単行本)やマンガ雑誌が普通に大量に売られているのを目の当たりにしてショックをうける。
マンガのトーン使いも新鮮であった。
まるでコロンブスが新大陸を発見したような心境であった。
またSEXやエロの表現にもびっくりした。
『AKIRA』を描く前の大友克洋にも感激した。
帰国後、フランスのあちこちでマンガの重要性、素晴らしさについてプロパガンダのように語りまくり、日本文化を紹介していた。
※Copine-m注釈:このあたりはちょっと注釈が必要でしょう。
まずフランスのおけるBDの書店での取り扱いですが、いまでこそfnacやHMVなどでフロアが用意され一般の本と一緒に売られていますが、普通はBD(バンド・デシネ)専門の書店でしか扱っていません。また日本のように週間や月刊のマンガ雑誌もほとんど存在しないし、それをキヨスク(フランスにもあります)で売っていません。
だから駅の売店にマンガが売られていて電車の中で読まれていたし、また青年誌に裸の女性などか描写されているのはかなりショッキングだったのではないでしょうか。
なんとなくヨーロッパ=性表現におおらかという印象が「エマニュエル夫人」とかサドとかによってありますが、当時BDにおいてはそんな事はなかったと思います。

大友氏のメカやロボットなどの表現に革命的な物を感じ、大友のスタイルをメビウスがまねてみたけれど(この部分は聞き間違いかもしれません)大友には大友のスタイルがあり、上手くはいかなかった。
マンガは人物の内面描写が素晴らしい。

浦沢発言 (スケッチブックに
えっと、えっと」とぶつぶつ絵を描きながら)メビウスから自分が学んだ事は、こうやって今自分は「えっと…」といいながら絵を描いたけれど、その時点で頭のなかに何となく描きたい物があり、それを描きだす時に描線の迷いが無い。
このなんとなくという『ゆらぎ』の感覚すらもコントロールして描く事を学んだ。
陰影をつける描写ひとつさえも必要だから描いているので、下書きをして描くのではなくいきなりペンで描いてもこういう絵えお描くべきである。
しかし日本の仕事の現状においては、生産効率をあげる為にアシスタントを雇い、彼らに自分の描いて欲しい絵を描いてもらう為に写真などを資料として渡すと、「これをそのままトレースしてもいいですか?」と聞かれてしまう。
本来なら自分の線で描きたいところだが、それを言葉で伝える事は難しく、「ゆらぎの感覚」がうまく伝わらないくらいなら「ま、写してもいっか」となってしまう。
しかし本来はトレースはコピーであり、頭の中から出て来た表現ではない。
写真の風景を描くとしても、それが頭の中で(再構成された自分のみたい風景として)現れ描くのが理想である。

夏目氏Q2 独特のコマの使い方について?
A2 即興で四角いコマを一つ描き、左に何か文句をいっている人物を描く。この時点では
まだ何を書くかはっきりとは決まっていない。
右の空いた部分に二人目の文句を言い返しているような人物を描き吹き出しをつける。
これで次のコマに続く。
二つ目のコマを描き、二人が空中でダンスするようなイラストを描くと、なんとなくハッピーエンドっぽく結末がつく。(ものすごく描くのが速いです)
しかしこれはあくまでも即興であり、実際には台詞があり最後の一コマまで厳密に計算されているので、その規制の中で空間と時間を操る。
※Copine-m注釈:このあたりはもうちょっとつっこんで話を聞きたかったのですが、かなり専門的になってしまうのと時間もなかったので追求不足で残念でありました。
というかなんか質問の意図と答えがずれていたような。。。
即興で描くメビウスの線に迷いはなく、かなりフリーに描いている印象はありましたが、実際に作家が一冊のBD制作にかける時間のスパンが1年2年は当たり前という状況をみると、実際の制作においては下書きがなくともかなり何度も没原稿を描き、構成を詰め書き直しているのだろうという事が想像できます。
つまりメビウスの空間と時間のコントロールは当たり前ですが、そうとう計算されたもの、あるいは繰り返す事により革新的に手から描かれたものではないかと思います。


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その後は会場にいらしていた著名作家さんのご挨拶。
永井豪先生のうしろにちらっとうつっているのは。。。。おお!!荒木飛呂彦先生じゃないですか。
この時点で、「ズキュ〜〜ンラブラブ射手座」となってしまい、その後の記憶は定かではありません。
谷口ジロー氏もいらしていて、それぞれのメビウス体験やら思いを語って下さいました。
ちなみに荒木氏は「大友先生や鳥山先生、浦沢先生が雑誌で直接メビウスをしった弟子だとすれば、自分は「へぇ〜大友先生が影響をうけたメビウスってどんな作家だろう?」と二次的に興味をもった孫弟子です」とおっしゃってました。

最後にメビウス氏の締めのお言葉として、もともと北斎や日本文化や伝統に興味が会った事。1920年代の仏男は女性をナンパする時に「家に北斎の版画があるけど見に来ない?」と誘っていたらしいけれど、今はきっと「家にマンガがあるけど見に来ない?」というのだろう。
なんて話も付け加えてくれました。

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あっという間に3時間が過ぎ、時間が足りないなぁという感じでした。
でもけっこういい対談だったと思います。さすがにデディカスはありませんでしたが。
長々と読んで下さいありがとうございます。
2009.05.09 Saturday ... comments(3) / -
#フランスのAmazonでBD(バンドデシネ)を注文
JUGEMテーマ:Bande Dessinee

amazonの小包新作が読みたくなったので、思いきってフランスのAmazonで注文したのが、4/27の深夜。
「発送したよ〜ん」とお返事がもどってきたのが4/28。
そして今日のお昼近くに届きました。
早くないですか?!
早いぶんにはまったく文句も問題もなくて嬉しいんですが、GWがないとはいえ、フランス人がこんなに仕事が早かったとは。。。
(そっちかいポロリ
ともかく届きました。
5册まとめて注文したので、円換算するとだいたい¥12,000くらい。
値段にばらつきはあるものの、12〜3ユーロのものなので、一冊あたり送料込みで¥2,500くらいでしょうか。
とうぶん海外旅行へいく予定がないので、思いきっていろいろと新作を中心に、興味があるものを買ってみました。
中身
中身の梱包の感じもこんなで、日本とほぼ同じです。
BD(バンド・デシネ)自体の状態もよく、角が折れているようなことはありませんでした。
BD今回注文したものは。。。
『ANIMAL'Z(アニマルズ』Enki BILAL(エンキ・ビラル)
映画は総べて観ているけれど、BDを読むのはこれが二冊目です。
ま、話題の新作ですから。内容はかなり高度なフランス語なので辞書片手でも大変そうです。

『Trompe la mort(死に損ない)』Alexandre Clerisse(アレクサンドル・クレリス)
3年前にでた一作目の『Lazz club』も南仏で密かに引退生活を送る年老いたクラリネット奏者が誘拐され、過去の事件と記憶が交錯してかつての恋人(つまりじいちゃんばあちゃんなんですが)と逃げる話で、イラストのレベルがすばらしくて好きだったんですが、やっと新作がでました。
今回も主人公はもと軍隊のトランペット奏者(歩将っていうのかな?)で、かつて自分が戦場で使っていたトランペットを蚤の市で見つけるところから始まり、生き延びてしまった自分との決着をつける話しでとてもよさそうです。

『Matteo(マッテオ)
PREMIERE EPOQUE(1914-1915)(最初の時期 1914年-1915年)』Jean-Pierre GIBRAT(ジャン-ピエール・ジブラ)
これは以前こちらでも紹介した
『LE VOL DU CORBEAU TOME 1(鴉の飛翔)』 GIBRAT
シリーズの新作です。
といってもまだ読んでいないので、今まででに登場したキャラクターのエピソードなのかは不明。

『AUZ HERURES IMPAIRS』Eric Liberge(エリック・リベルジェ)
タイトルをどう訳したらいいのか分からないのですが、帯には「ルーヴル美術館が寝静まった頃…」と書いてあります。
これはルーヴル美術館がBD作家に発注してルーヴルを舞台にした作品を描いてもらうシリーズの3弾目。
パンクの男がルーヴル展示室の中でベンチに座ってサンドイッチを食べているところを、係員から注意されるところから始まります。男は耳が聞こえないので、会話が噛み合わず、サンドウィッチの包み紙に筆談で「自分は研修の待ち合わせがあり来た」と説明するのですが、信じてもらえません。
その後、騒動になりなんとか抜け出した男は、同じく手話で会話ができる老人に誘われるまま、深夜再びこの場所で落ち合う事になり。。。
ざっと目をとおしたところ、ここから後半はファンタジックな展開になるようで、なかなか面白そうです。

『Jazz Maynard 1.Home sweet Home(ジャズ・メイナード 1.懐かしの我が家)』Raule & Roger(ラウル&ロジャー)
今回一番読んでみたかったシリーズでバルセロナ三部作の最新巻が出たばっかりみたいです。
作者はフランス人ではなく、たぶんスペイン人かな?
Jazz Maynardは主人公の名前で、ジャズのトランペット奏者なんですが、かつてはスペイン裏の世界でぶいぶい言わせていた有名な人らしいんですね。
今は足を洗ってN.Yのペット屋なんですが。
物語はひさしぶりに故郷へ戻ってきたジャズと友人が取っ捕まっているところから始まります。
その数時間前に別れたジャズの妹が人質となり、偶然再開したジャズと友人が助けに行きとっ捕まっているという事らしいのですが。。。
これも絵柄がカッコよくて、面白そうです。

こういう新しい作品がもっと翻訳されて手軽に読めるようになるといいんですけどね。
2009.05.02 Saturday ... comments(0) / -
#アテネの春学期は開講されました!
JUGEMテーマ:Bande Dessinee

春からのBD(バンドデシネ)の授業は無事開講されました。
先学期にやるはずだったスピルー&ファンタジオの『a Tokyo』がテキストです。
秋学期を一緒に受けていた方々と、一名新しい生徒さんが増えていたので、
ぎりぎり開講できる五名になったようです。

休みの間に通信講座をうけてみえたりしましたが、
やはりこういう授業のほうが向いているみたいです。
自宅で一人で辞書引きながら、真っ赤に添削されてもどってくる
新聞記事の抜粋を訳するのは苦手です。
戻ってきた添削を見直せばいいんですが、
もうあの真っ赤さにげんなり。
いやいや、添削して下さる方はさらにうんざりなんでしょうが。。。

ともかく、BDを読む授業は再開されましたので、
御興味のあるかたは、お茶の水のアテネフランセへどうぞ。。。

2009.04.21 Tuesday ... comments(0) / -
#BDの巨匠メビウス×浦沢直樹+夏目房之介のシンポジウム
JUGEMテーマ:Bande Dessinee

GW開けの5月9日(土)13時30分 〜 16時00分 (12時30分開場)より、
お茶の水 明治大学駿河台校舎アカデミーコモン3F アカデミーホールにて、
『国際日本学部シンポジウム「メビウス×浦沢直樹+夏目房之介」(司会:藤本由香里准教授)』
開催されます。
入場は先着順との事。
BDあるいはフレンチ・コミックといえばメビウスというくらい、
日本の漫画家にも映画家にも影響を与えた人なので、
私も早めに並んで席を確保したいと思います。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

メビウスをより知るために。。。

Moebius(メビウス)のオフィシャルサイト

メビウス・ラビリンス
仏語はわからないという方には、個人でメビウスについて日々研究して発表していらっしゃる、
すばらしいブログがこちら。
2009.04.20 Monday ... comments(2) / -
#アテネの四月からのBDクラス
JUGEMテーマ:Bande Dessinee

きのう学校から案内の封書が届いていたのですが、
今日、申し込みに行ってきました。
怖くて「受講生は何人ですか?」とは聞けなかったのですが、
またギリギリかもしれません。
学校から案内が来るという事は、出足があまりよろしくないのかも。。。

今期は、スピルーとファンタジオ シリーズの東京編で、
現在の作者のモルヴァンさんとムニュエラさんが日本へ取材に来て
確か講談社とのコラボ企画の一環だったと思います。
「大江戸日本村」みたいな所へ観光へ行き、
そこからトラブルに巻き込まれるというもので、
フランス人の好きな侍ものかと思いきや、現代の日本の話
というところが面白いところ。

興味のある方は、授業は仏語で行われますが、ぜひどうぞ!

2009.03.31 Tuesday ... comments(2) / -
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