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2009.08.03 Monday ... - / -
#『LE VOL DU CORBEAU TOME2』 GIBRAT
カラスの飛翔2表紙
『LE VOL DU CORBEAU TOME2』 GIBRATDUPUIS社 AIRE LIBRE(『鴉の飛翔 2巻』ジブラ デュピュイ社出版 エール・リブル)

1巻のラストは、主人公のジャンヌを匿っているルネとユゲットの船にドイツ軍兵士達が乗り込んでくる所で終わっているのですが、2巻目はその後から始まります。

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水上船の地下室の錨をしまっておく所へ隠れたジャンヌだったが、ドイツ兵士が一人そのままその船に居座ることになり、外へと出ることも出来なくなっていた。ちょうど出掛けていたフランソワが戻ってきて、なんとかごまかして船上へとでる事はできたものの、そのままドイツ軍に加担しているオーストリア人の兵士を乗せて一行はオーセルへと向かうことになる。
フランス語も分かるオーストリア人兵士の前では内緒話も悪態もつけず、夜になると一晩中呪いのような寝言をはき続けるので眠ることも出来ない。おそらくこの兵士は正気ではないのだろう。

まんじりとともせず一夜を明かしたジャンヌ達に、街に盗みに行っていたフランソワが手みやげを持って戻ってくる。前日尋ねた時には閉まっていたレジスタンスの繋ぎに使うパリの書店が開いていたとフランソワから聞き、二人で出掛ける事に。

だがそこに妹のセシルからのメッセージはなく、かわりに見つけたのは自分を密告したのではないか?と疑っていたミッシェルからの別れのメッセージだった。まだミッシェルを信じ切れないジャンヌだったが、セシル宛のメッセージを残し、指定の待ち合わせの場所へとメトロで向かうと、列車がホームに入ったときに連行されてゆくミッシェルとすれ違うのだった。

不安を抱えながら水上船にもどったジャンヌにはさらなる事件が待っていた。身分証明書を確認にきた兵士達に「身分証明書を家へ忘れてきた」と言い、収容所へ送られそうになるが、オーストリア兵に自分の恋人だと庇ってもらいなんとかその場を凌ぐが、その変わりにオーストリア兵に「身体を与えるか?それとも自分を撃つか?」と船室で追いつめられてしまう。

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ここまでが1/3くらいでしょうか。2巻目になると、いつも肝心な時にフランソワが仕事(泥棒)に行っていて不在で、読み手としてはイライラするのですが、1巻目よりも頻繁に夜パリへ仕事に出掛けるというのも最後への伏線となっているような感じではあります。
その後ジャンヌとフランソワは結ばれるのですが、ジャンヌはセシルに会えるのか?密告者は誰なのか?

戦争というのは個人がそれぞれの思想に従い正しいと思うことをし、時にその判断が間違いであるという事は往々にしてあります。ただ視点を変えればそうだったという事で、別の視点から見ていれば、そうとも言い切れないという事もあります。
正しいと思いやっていた事が、そうではなかった。
偶然が重なって取り返しのつかない事をしてしまっていた…でも偶然がなければ、二人が出会う事もなかった。
ラストシーンはちょっとだけ希望が残されていて美しいですね。

1巻で膨らませた話をまとめるのに、ストーリーが急展開するのに画面としては室内での会話といったシーンが多く、1巻目よりもさらに動きが少ない印象です。

タイトルの意味は、1巻目を読み終わった時に思っていたのとちょっと違っていて、そうだったのかという感じでした。
日本語にすると、こういうダブルミーニングが上手く表現できないので、まあ「クロサギ」みたいなもんでしょうかね。


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2007.05.02 Wednesday ... comments(0) / trackbacks(0)
#『LE VOL DU CORBEAU(鴉の飛翔)TOME 1』 GIBRAT
volducorbeau1表紙

『LE VOL DU CORBEAU TOME 1』 GIBRAT
DUPUIS社 AIRE LIBRE(『鴉の飛翔 1巻』ジブラ デュピュイ社出版 エール・リブル)

を紹介します。リンクはジブラのサイトに繋がっています。この作品に魅力の一つでもある美しい絵(特に女性の描写が素晴らしいです)を見てもらうのが、彼の作品を知ってもらうには一番いいので。

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ドイツ軍占領下のパリ、ちょうどアメリカ軍がノルマンディーに上陸した日、ジャンヌは何者かの告発の手紙により警察に留置され一夜を過ごしていた。
そこへこそ泥のフランソワが捕まえられてくる。2人は同じ留置所へ入れられるが、ちょうど空爆が再開し警備が手薄になったスキに、フランソワの機転で屋根づたいに逃亡する事に成功する。

口が上手い泥棒のフランソワにレジスタンスのジャンヌはなかなか心をひらかないが、屋根から飛び降りて逃げる途中でジャンヌが足を挫いてから、少しづつ互いの手の内を探りはじめ、やがて妹をさがしているというジャンヌになぜかフランソワは色々と協力するようになり、知り合いの貨物運搬船で水上生活をしているルネとユゲット夫妻のところへ二人して匿ってもらいながら、妹の行方の手がかりを探す事になる。

すでに妹のアパートにも警察の手が回っていた事が分かり、誰が自分を密告したのかと疑心暗鬼にになってゆくジャンヌ。
やがてナチスの機密国家警察の手はセーヌ河の水門にも広がり…

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この作品の魅力はなんといっても絵の素晴らしさ。戦中下のパリの情景をかなり詳しく再現していて、当時の風俗や車や建物の造形がよくわかります。また物語の前半を過ごす屋根の上からのパリの風景と、後半をすごすセーヌ川から運がづたいに眺めるパリの風景など、映画的な視点も魅力的です。
主人公のジャンヌはちょっとファニー・アルダンに似ていて、日本人の目からするとかなり大人っぽく見えるのですが、たぶん24〜5くらい?

最初はそういう絵柄の素晴らしさに奪われていたのですが、物語自体もレジスタンスが主人公なので、読み込むと「表と裏」「本名と偽名」といった二重の意味を含む言葉や象徴的なイメージ;赤いベレーといった要素がちりばめられています。
多用されるジャンヌのモノローグは、時にそれは妹へ宛てた手紙でもあり、自分をシンデレラに、フランソワをアルセーヌ・ルパンに見立てたり、その語り口からは彼女がとても知的で良いところの出なのではないか?と思えます。
ジャンヌとフランソワの心が少しづつ近づいてゆくのも魅力的なのですが、2人をかくまうルネとユゲット夫妻のどこかずれた夫婦げんかのシーンが緊迫感のあるストーリーの息抜きでもあり、それは時にジャンヌにとっても心が安まる場面でもあります。
そして「誰がジャンヌを告発する手紙を送ったのか?」「妹は無事なのか?」というのが2巻へと続く謎でもあるのですが、最後まで読むと実はタイトル自体にも二重の意味が隠されている事が分かります。

「LE VOL DU CORBEAU」
「VOL」と「CORBEAU」にはそれぞれもう一つの意味があり、それを組み合わせたタイトルとしてこのストーリーを読み直すと、また違った捉え方で謎をおう事ができるように仕組まれた上手いタイトルだと思います。
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2007.05.02 Wednesday ... comments(1) / trackbacks(0)
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