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2009.08.03 Monday ... - / -
#『LE VOL DU CORBEAU(鴉の飛翔)TOME 1』 GIBRAT
volducorbeau1表紙

『LE VOL DU CORBEAU TOME 1』 GIBRAT
DUPUIS社 AIRE LIBRE(『鴉の飛翔 1巻』ジブラ デュピュイ社出版 エール・リブル)

を紹介します。リンクはジブラのサイトに繋がっています。この作品に魅力の一つでもある美しい絵(特に女性の描写が素晴らしいです)を見てもらうのが、彼の作品を知ってもらうには一番いいので。

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ドイツ軍占領下のパリ、ちょうどアメリカ軍がノルマンディーに上陸した日、ジャンヌは何者かの告発の手紙により警察に留置され一夜を過ごしていた。
そこへこそ泥のフランソワが捕まえられてくる。2人は同じ留置所へ入れられるが、ちょうど空爆が再開し警備が手薄になったスキに、フランソワの機転で屋根づたいに逃亡する事に成功する。

口が上手い泥棒のフランソワにレジスタンスのジャンヌはなかなか心をひらかないが、屋根から飛び降りて逃げる途中でジャンヌが足を挫いてから、少しづつ互いの手の内を探りはじめ、やがて妹をさがしているというジャンヌになぜかフランソワは色々と協力するようになり、知り合いの貨物運搬船で水上生活をしているルネとユゲット夫妻のところへ二人して匿ってもらいながら、妹の行方の手がかりを探す事になる。

すでに妹のアパートにも警察の手が回っていた事が分かり、誰が自分を密告したのかと疑心暗鬼にになってゆくジャンヌ。
やがてナチスの機密国家警察の手はセーヌ河の水門にも広がり…

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この作品の魅力はなんといっても絵の素晴らしさ。戦中下のパリの情景をかなり詳しく再現していて、当時の風俗や車や建物の造形がよくわかります。また物語の前半を過ごす屋根の上からのパリの風景と、後半をすごすセーヌ川から運がづたいに眺めるパリの風景など、映画的な視点も魅力的です。
主人公のジャンヌはちょっとファニー・アルダンに似ていて、日本人の目からするとかなり大人っぽく見えるのですが、たぶん24〜5くらい?

最初はそういう絵柄の素晴らしさに奪われていたのですが、物語自体もレジスタンスが主人公なので、読み込むと「表と裏」「本名と偽名」といった二重の意味を含む言葉や象徴的なイメージ;赤いベレーといった要素がちりばめられています。
多用されるジャンヌのモノローグは、時にそれは妹へ宛てた手紙でもあり、自分をシンデレラに、フランソワをアルセーヌ・ルパンに見立てたり、その語り口からは彼女がとても知的で良いところの出なのではないか?と思えます。
ジャンヌとフランソワの心が少しづつ近づいてゆくのも魅力的なのですが、2人をかくまうルネとユゲット夫妻のどこかずれた夫婦げんかのシーンが緊迫感のあるストーリーの息抜きでもあり、それは時にジャンヌにとっても心が安まる場面でもあります。
そして「誰がジャンヌを告発する手紙を送ったのか?」「妹は無事なのか?」というのが2巻へと続く謎でもあるのですが、最後まで読むと実はタイトル自体にも二重の意味が隠されている事が分かります。

「LE VOL DU CORBEAU」
「VOL」と「CORBEAU」にはそれぞれもう一つの意味があり、それを組み合わせたタイトルとしてこのストーリーを読み直すと、また違った捉え方で謎をおう事ができるように仕組まれた上手いタイトルだと思います。
JUGEMテーマ:Bande Dessinee


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