BDcafe(ベーデーカフェ)

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2009.08.03 Monday ... - / -
#ダビッド・Bを囲んで
前日に引き続き、10/5(金)には、飯田橋の東京日仏学院内のエスパス・イマージュにて行われた『ダビッド・Bを囲んで』と題された討論会を聞きに行ってきました。
学院内では同時期に原画展も行われていて、そちらも見たことのないものばかりで、見応えがありました。
リトル・ニモのオマージュ作品や、新聞?等に掲載されたらしき、時事問題をテーマにしたカリカチュールのような作品などもあり、こういう本人の物語以外の作品をみると、その作者がどういう視点を持っているのか?という事がより浮き彫りにされるようで、なかなか面白いですね。

海外の作家の展覧会に行くと何時も思うのですが、どうして作品内の言葉(台詞や落書きなど、読ませる為に書かれたであろう言葉や文章全て)を訳して脇に付けておかないんだろう?という事です。
作品を持ってくるのが直前で、時間がないから?
それとも作者の意志で、文章を訳してまで読んでもらう必要がないから?
そんな事はないと思うんですよね。
あれは絶対に付けるべきだと思うのですが、どうして大きな展覧会にしても、今回のような小規模の物にしても、そこまでしないのか?
言葉が分からなければピンとこない作品も多いと思うのですが…

討論の方は、ダビッド・B,細萱敦、斉藤環(敬称略)の三者で三部構成に分けて行われました。
最初に主催の日仏学院の?仏人の方が、仏語で今回の対談が行われるに至った経緯や、著者に着いての説明を行いました。
それから細萱さんによる、著者の略歴を作品を提示しながら時系列に沿ってなされ、この『大発作』に至るまでの道のりが分かりやすく紹介されました。

その後は、斉藤氏と著者との質疑応答。
精神科医でもある斉藤氏の、作品分析的な解説を伴った質問は、普通の漫画評論の方がなさるものの見方とはまた違っていて、主に<てんかん>という病気をもった患者とその家族という視点からなされていたように思われ、そういう点は出版者側の意図と上手く合っていたように思いました。
個人的に気になっていた、その後の兄との関係(これは前日の帰りの電車のなかで直接ご本人に尋ねたので知っていたのですが)や、幼少期から青年期(自宅をでてパリで一人暮らしをするまで)の期間の、主人公(=著者自身)の恋愛感情といった事に関する描写がないのはなぜか?などについての質問があったので、興味深かったです。
なぜこのBDが読みづらいのか?という事に関する見解は、日本の漫画のように一駅区間で読み切れる速読できる作りになっていないという事と、イコンのような表現方法に馴染みがないなどという部分には納得したものの、BDの作家がそういう速読を目指して描いていないという事もあるので、そういう物だと思って読んで貰うしかないんだよなぁと思ったり。

最後は客席との質疑応答。
戦争の歴史との関連に関しての質問は、中野のパピエのKさんからで、この史実上の戦争の歴史と、市井の市民の戦争との関連という部分もダビッド氏が常々描こうとしているテーマの一つであると思うので、この質問はなかなか鋭くて、B氏も嬉しそうでした。
色々とあったのですが、実際にてんかん持ちである方からのアドバイスの相談など、この作品に同じ病気を持った方や、重病を抱えた家族の方のシンパシーを込めた感想や質問も多く、これは出版社の意図が上手く伝わった結果なんだろうなぁと思いました。
個人的には、そういう部分よりも、後半のパリで独立してからの話の方が、物語としてぐっと引き込まれた部分が多かったのですが、恐らく市場でのアピールとしては、やはりサブタイトル通りなんでしょうね。
果たしてそういうシンパシーをおぼえた読者が、この先もBDを読んでくれるのか?というと、かなり微妙な感じではあるけれど、それでも日本語で読める書物として市場に出回った事自体素晴らしい事だなと思いました。

2日間にわたるダビッド・B祭りは非常に有意義で刺激的なものでした。
こういう機会が少しずつでも増えていき、もっと日本語で読めるBD(バンド・デシネ)が増えるといいなぁと思います。
JUGEMテーマ:Bande Dessinee


2007.10.17 Wednesday ... comments(0) / -
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2009.08.03 Monday ... - / -
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