BDcafe(ベーデーカフェ)

RECOMMEND | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS
#スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2009.08.03 Monday ... - / -
#CLICHES d'amour LOUSTAL/PARINGAUX Les Humanoïdes Associés
『CLICHES d'mour(クリシェ・ダムール)』1982年 LOUSTAL/PARINGAUX  Les Humanoïdes AssociésCLICHES_LOUSTAL

以前も一度紹介した事のあるLOUSTAL(ルスタル)というとてもオシャレなBD作家の
作品です。

あえて訳せば、「愛の情景」とか「ありふれた愛」という感じでしょうか。
今回もPARINGOUX(パランゴ)と組んでのハイソな大人のヴァカンスの
恋愛、あるいは出口のない愛、といった様々な情景を描いた短編集です。

 L 'Amour est une plante verte (6 pl. coul.)』(愛は観葉植物のようなもの)
La femme blanche (8 pl.)』(白人女)
La nuit de l'alligator (18 pl. coul.)』(ワニの夜)
の三本の短編からなっています。

借りていた本だったので、ざっと目を通したという感じですが、
中でも『 L 'Amour est une plante verte (6 pl. coul.)』は
70年代の避暑地の出来事という感じのストーリーでしっとりとしたいい話でした。
とある避暑地のホテルでの主人公(男性)の
出会いと永遠の別れを描いているのですが、
若い男女の恋愛ではなく、プリンセスと呼ばれている年老いた女性と
彼女に(恐らく)買われた男との一夜の出来事を男が
彼女が到着する前から旅立つまでを回想している話です。

同情でもなく哀れみでもなく、ただ愛おしかった。
大人ですね。

La femme blanche (8 pl.)
これは黒人ボクサーと白人女性の話で、当時まだ黒人と白人がつきあう事が、
暗黙のタブーとされ、宗教的な団体から迫害を受けていた頃の話で、
やさぐれた男と女の恋愛は、行きずりであろうとも許されない行為だったんですね。
(今でもまだそういう感情は残っているとは思いますが)
ラストのページは、二人の悲惨な行く末を暗示しているようでした。
ちょっと違っていて、掲載時はもう少しラテン系というかあまり白人っぽくありません。
BDとして発行する時に書き換えたのかもしれませんね。
色々と問題があったのでしょう。

La nuit de l'alligator (18 pl. coul.)
これはじっくりと読む時間がなかったので残念なのですが。
ストーリー自体はいくつかのエピソードが同時進行していて、
主人公の女性の過去のエピソードと、
彼女にまつわる男(お金持ち)が殺し屋に殺される話。
(これが殺し屋視点で、結構カッコいいです)
もうひとつくらいあったような気もするけど、
それらが現在の彼女(バスルームで自殺しようと剃刀を手首に当てている)と
同時進行しています。

この作品だけは他の2作と比べて、着彩の仕方が違っていて絵の雰囲気も違います。
色々とネットで調べたら、どうもこのBD自体がルスタルの作品の中では、
それまでの水彩やカラーインクなどで着彩していたスタイルから、
パステルやガッシュのような他の画材で描く方法を色々と模索していた時期の、
ターニングポイントとなるような一冊と評されていいるんですね。

コマ割りの仕方も独特で、左ページの同じ位置のコマに、
現在の主人公の女性がバスルームで自殺する様子が描かれ、
これが現在の時間軸。
そして見開きの他のコマでは、彼女にまつわるいくつかのエピソードが同時に
進行するという作りになっていました。(たしか。。。)
映画で言うフラッシュバックを取り得れた独特のコマ割りで、
BDでもこういう形で進めるというのは、とても珍しいと思います。

このBDはアテネのクラスメートが阿佐ヶ谷の古本市で見つけたと、
貸してくれたのですが、本の最後のページに覚え書きがありました。
この本、気に入ってたんですね。
どういう経緯で売られて来たのか分からないけれど、
素敵だったのでちょっとその写真も載せておきます。
なおこのBD(バンドデシネ)は表紙をかえて何度か再販されているようです。

追記:
上記のLoustalのサイトを見ていたら、2008年に『New Yoker』の表紙を三回担当しているんですね。
それが結構かっこ良くて素敵です。
イラストの感じはだいぶ違うけれど。
NYの表紙ってストーリー仕立てのようになっていて、これも3回描く事が決まっていたからか、メインのカップルはいつも画面の同じ位置に同じポーズで配置されています。
旅がテーマなのによく見るとなんか服装と 場所がズレているあたりが面白いです。
        
2009.07.16 Thursday ... comments(0) / -
#スポンサーサイト
2009.08.03 Monday ... - / -
#Comment








<< NEW | TOP | OLD>>